iPhoneのVoiceOver機能を初めて使ってみた話

ユニバーサル・ファンクラブを目指して

どんな人でも楽しめるファンクラブサイト「ユニバーサル・ファンクラブ」を目指して、最近取り組んでいることを書いてみたいと思います。(ちなみにユニバーサル・ファンクラブ、という名前は今さっき思いつきました。)

アップル製品のVoiceOver機能

つい先日知ったのですが、アップル製端末(iPhoneやMacintosh)には「VoiceOver」という機能があります。どういう機能かというと、音声説明のみでiPhoneやMacintoshが使える、視覚サポート機能です。

数週間前まで、こちらのサイトには「音声読み上げボタン」を実装していたのですが、あるサイトで「今の端末技術は発達しているので、それ自体を邪魔するような機能をつけてはいけない」という記事を読み、実際はどうなんだろうと少し悩んでいました。

そんな時にたまたま、まさにVoiceOver機能を日頃使っている方から「ファンクラブに登録したいんだけど」と連絡があり、その機能について学ぶ機会を得たのです。

不要だった音声読み上げボタン

VoiceOver機能を使うと、サイト上の文字は全て読み上げられます。なので、最初に懸念していた通り、サイトに組み込んでいた「音声読み上げボタン」は、余計な情報が増えているだけで、不要ということがわかりました。

実装の簡単さと面白さでつけていた「翻訳」機能も、旗のマークがいちいち「英語、中国語、韓国語」と読み上げられてしまいました。今のファンクラブ会員は100%が日本語話者なので、はっきり言って余計な機能でした。(当たり前ですが、面白さだけでつけるべきではないですね)

作る側の都合や気分だけで作ること、つい楽しくなってやってしまいがちなので気をつけないとなぁと反省。

画像の読み上げられ方

VoiceOver機能を知り、自分のiPhoneでも使ってみて衝撃だったのは、画像の読まれ方です。読み上げ機能で画像がどう読まれるかというと、何も設定しない状態だと、アップロードする前に画像につけた名前で読み上げられます。

例えば、スマホで撮って名前を変更しないままアップロードした場合、「IMG01234.jpg(アイエムジー、ゼロ、イチ、二、サン、ヨン、ドット、ジェイピージー)」のように読み上げられてしまいます。このままだと、かなり意味不明ですよね・・・。

ぴよっきーマンガに行なった読み上げ対策

画像にはそれなりにわかりやすい名前をつけていたつもりでしたが、VoiceOver機能で読み上げられることを想定していなかったので、これからは次の対策をすることにしました。

<対策>
  • 画像タイトルにはどんな画像かわかる名前をつける(代替えテキスト、alt属性)
  • 画像に内容のわかるキャプション(説明文)をつける

例えば次の画像には、「ぴよっきーマンガ24の1コマ目」という名前をつけています。さらに、キャプションとして、画像の内容が文字だけでわかるような文章を入れています。

ぴよっきーマンガ24の1コマ目
テレビでは「夕方から雨が降るでしょう」と言っています。しんちゃんは「今日は天平祭なのに、、心配だなぁ」と言っています。ぴよっきーは「ダナー!」と相槌をうっています。

実際の読まれかた(動画)

Twitterにも実装されていた

読み上げ対策について学んだ日、Twitterに画像をアップしようと思ったら、なんとTwitterにも説明文をつけられる機能が実装されていることに気づきました。少し前に実装されていたようですが、全然気づいていなかったです・・・。

Twitterにあった説明文はこんな感じでした。

目が不自由な利用者も含め、多くの利用者が画像を理解できるように説明(代替テキストとも呼ばれます)を作成できます。簡潔にすることをおすすめしますが、画像の前後関係をよく理解できるように画像の内容を的確かつ正確に説明してください。

Twitterの説明に「目が不自由な利用者も含め」とあるように、現段階では、「画像に説明文をつけること」は晴眼者にほとんど関係のないことかもしれません。

でも、この説明を見てなんとなく私が思ったのは、画像をテキストで説明することはロボットやAIのためにも必要な情報ではないか?ということです。(一見、話が飛躍するようですが、私の中ではリンクしました。)

実際、すでに活用されている身近なものとしては「Google検索」があります。Googleによるサイトの評価はAIを活用したアルゴリズムで行われており、画像に代替えテキスト(alt属性)がついている方が、サイトの評価は上がる(検索で上位に上がりやすくなる)と言われています。

今よりもっとAIなどの技術が発展したとき、「機械に画像の内容を文章で理解させる」場面が増えてくることは間違いないと思います。そして今後、代替えテキストを利用したなんらかの便利なサービスが出てくる可能性は大いにあると思います。(例えば・・・子供が使うスマホには不適切と思われる画像を表示しないようにする、など)

目が見えないのは不便だけど、不幸ではない

これは今回、私にVoiceOver機能を教えてくれた方の言葉です。

目が見えないのは不便だけど、不幸ではないよ

この言葉を聞いてハッとしました。

私もつい先日、白内障手術をしたところですが、もし白内障を治療する技術がない国に住んでいたら、大変不便な思いをしていたことでしょう。でもありがたいことに、医療技術によって、ほとんど不便を感じることなく過ごせています。

ということは、どんな「不便さ」であっても、技術の発達によって「不便」をなくせる可能性があるということです。VoiceOverという機能は、まさにその技術だけで「不便」をなくすことができるものです。

でも、その機能を使って得ている情報は、機能開発に関係のない人たちが発信するものがほとんどです。だからその「便利」を最大化するためには、機能開発に関わる人だけではなく、Webサービス全般を利用する、私たち一人一人の気遣いが不可欠なのではないでしょうか。

ちょっとした気遣いで「便利」を加速させよう

少し大げさかもしれませんが、「画像に説明文をつける」という行為、これをするだけで、ほんの少しだけれど「便利」を「もっと便利」に加速することができます。

Twitterやブログでつぶやくときに、画像に説明文を入れる。ただそれだけで、もしかしたら誰かがもっと便利に過ごせるようになるかもしれません。ゆくゆくは、AI技術やロボットがもっと身近になったとき、気づかないうちにほぼ全ての人が、その恩恵を受ける未来がくるかもしれません。

いつ・どんな「不便」の壁にぶつかるか、それは誰にもわかりません。歳をとり、いつか必ず「不便」に直面する自分のためにも、ちょっとした気遣いで、今困っている誰かの「不便」を「便利」に、「便利」を「もっと便利」に加速させることができたらいいなぁと思うのです。

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