[公開記事] 2021.12.5(日)新井満さん

12月3日、新井満さんが亡くなった。

新井さんが作った「やまとしうるはし」という曲は、2017年に奈良県で開催された国民文化祭のテーマソングだったのだが、テーマソングというのはイベントが終わったらだんだん忘れられていってしまうものなので、「奈良のアーティストに永く歌い続けていってほしい」という新井さんの想いを受けて、ある方を通じてご指名いただき、歌わせていただくことになった。

2020年にリリースしたCDにも入れさせていただくことになり、奈良フィルハーモニー管弦楽団の皆さまと一緒に、生まれて初めてフルオケでのレコーディングというものも経験させていただいた。

この曲は古事記に登場する「倭は 国の真秀ろば たたなづく 青垣 山籠れる 倭しうるはし」という、ヤマトタケルが詠んだとされる和歌をモチーフに制作されている。

他の人が作った曲をレコーディングするというのは責任重大なので、録音にあたっては、古事記の解説本や、新井さんが書かれた本を読んだりして、これまで以上に真剣に勉強して取り組んだ。おかげで奈良に住んでいながらも、今まで知らなかった奈良のことをたくさん学ぶことができた。

レコーディング前後には、新井さんと何度も手紙や電話でやり取りをさせていただいた。電話が鳴って、携帯の画面に「新井満さん」と表示されているのを見るといつも緊張した。

持ち主の緊張感が伝わっているのか、フル充電だったはずの携帯の電池が、通話が終わる頃にはいつも残りわずかになっていた。

コンサートなどでこの曲を歌わせていただく機会があると、そのDVDをお送りしたりしていたのだが、その度にご丁寧にご連絡をいただいて、感想を聞かせてくださった。

「やまとしうるはしは、奈良の歌でもあるけど、愛と平和の歌なんだ」とおっしゃっていたのが印象的だった。あと、新井さんはよく「羊たちのお世話で忙しい」とおっしゃっていた。

新井さんは北海道に住んでいらっしゃった。北海道の中でもかなり遠くて、簡単には行けない場所だった。

それに加えてコロナ禍だったこともあり、「いつかご挨拶に伺います」と言いながら、ついに直接お会いすることが叶わなかった。

「会いたい人には、今すぐに会いに行こう」と心から思った。

どうか安らかにお眠りください。

こちらは今年の2月に、友達が主宰するNPO法人「ワールドシップオーケストラ」の国内演奏会で、「やまとしうるはし」を歌わせていただいた際の映像です。

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